くらし情報『長崎“教会群”からみる世界遺産登録のハードルの高さ【後編】』

2016年3月14日 11:30

長崎“教会群”からみる世界遺産登録のハードルの高さ【後編】

タイプの遺産が増えている。先に述べたストーリーが大事ということもこういった背景のもとにある。また、13年に登録された「富士山」の時には「鎌倉」とあわせて2件の文化遺産が日本から推薦されたが、翌年の「富岡製糸場」際には、1件のみに絞られた。また、今後1つの国からの推薦は、毎年はできなくなる方向になりそうだとの話も出ている。

●“教会群”は幸運か
○審査の透明性を高める改革をはじめたイコモス

教会群は、本当は幸運だったといえるのかもしれない。

イコモスの審査は、実際に世界遺産委員会で審議される前の年の夏から秋頃に現場の調査を行った後、非公開での審議が続けられる。申請者は、この間イコモスからの質問内容などからしか審査の状況を推し量ることができない。勧告が出るゴールデンウィーク頃まで中身がわからない、いわば“密室”での議論には以前から批判があった。
しかし今年の推薦案件の審議から、公開の場で申請者へのヒアリング機会を設けることになり、中間報告も出た。“教会群”については昨年の11月30日、政府と関係自治体の担当者がパリで公開のヒアリングに臨んだ。1月に出てきた中間報告ではそのときの日本側の説明は、結果的には「受け入れられなかった」

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