くらし情報『産総研、アルツハイマー病の原因タンパク質を細胞内で可視化することに成功』

2016年3月17日 08:00

産総研、アルツハイマー病の原因タンパク質を細胞内で可視化することに成功

産総研、アルツハイマー病の原因タンパク質を細胞内で可視化することに成功
産業技術総合研究所(産総研)は3月16日、アルツハイマー病の原因因子のひとつ「アミロイドβタンパク質(Aβ)」の動態を、生きた神経細胞内や生体内で可視化する技術の開発に成功したと発表した。

同成果は、産総研 バイオメディカル研究部門 脳遺伝子研究グループ 落石知世 主任研究員、北海道大学大学院 先端生命科学研究院 北村朗 助教、順天堂大学 医学部 脳神経内科 志村秀樹 准教授らの研究グループによるもので、3月16日付けの英国科学誌「Scientific Reports」電子版に掲載された。

アルツハイマー病発症のメカニズムとして近年、少数のAβ分子が重合したAβオリゴマーが細胞に対する強い毒性を有し、これが細胞内に蓄積されることが病気の発症に強く関与するという説が有力になりつつある。しかし従来の方法では、細胞や脳組織の標本を用いた解析しかできなかったため、生きた細胞内でAβのオリゴマー化の状態を直接可視化して毒性との因果関係を詳細に解析する方法の開発が求められていた。

これまでにAβと蛍光タンパク質GFPを繋ぐリンカーとして12個以下のアミノ酸から構成されたものが報告されていたが、これらはAβが重合するとGFPの蛍光が消失するため、Aβオリゴマーの観察はできない。

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