2016年3月17日 08:47
非脱獄iOSデバイスにも静かに感染を広げる新手のマルウエア「AceDeceiver」
それらはマルウエアと判断されて2016年2月にApp Storeから削除されたが、その後もAceDeceiverの攻撃は続いている。App Storeを通じてアプリを配布しなくても、攻撃者がApp Storeから取得したFairPlayの認証情報を悪用して、悪意のあるアプリをインストールさせているからだ。具体的には、爱思助手 (Aisi Helper)というWindowsクライアントが、その役割を担っている。Aisi Helperは、iOSデバイスのシステムの再インストールや脱獄、バックアップ、デバイス管理といった機能を備えたユーティリティだが、同時にPCに接続したiOSデバイスに不正なアプリをインストールする。悪意のあるiOSアプリはサードパーティのアプリストアにアクセスし、様々な方法でユーザーのApple ID情報を求めてくる。入力してしまうと、その情報はAceDeceiverのC2サーバーに送られる。
ここ数年の間に確認された非脱獄iOSデバイスをターゲットにしたマルウエアは、エンタープライズ向けの証明書を悪用していたが、AceDeceiverはエンタープライズ認証を必要としていない。