くらし情報『東工大など、超イオン伝導体を利用した全個体セラミックス電池を開発』

2016年3月22日 16:53

東工大など、超イオン伝導体を利用した全個体セラミックス電池を開発

(リチウム・シリコン・リン・硫黄・塩素)と、広い電位窓(電解質が適正に動作する電位の範囲)を持ち、リチウム金属負極の電解質として利用できる超イオン伝導体「Li9.6P3S12」を発見。

これらを用いて開発した全固体セラミックス電池は、数分でフル充電できるなど高い入出力電流を達成し、蓄電池とキャパシターの利点を併せ持つ蓄電デバイスであることが確認された。具体的には、既存のリチウムイオン電池より室温で出力特性が3倍以上になるとともに、有機電解液を用いるリチウムイオン電池の課題である低温(-30 ℃)や高温(100 ℃)でも優れた充放電特性を示した。加えて、室温や高温での高電流放電において1000サイクルに及ぶ安定した特性を持ち、実用可能な耐久性も確認された。

さらに、大強度陽子加速器施設J-PARCに茨城県が設置した「茨城県材料構造解析装置(iMATERIA:BL20)」による中性子構造解析により、「Li9.54Si1.74P1.44S11.7Cl0.3」が三次元骨格構造を持つ物質であり、その骨格構造内にリチウムが鎖状に連続して存在していること、室温で三次元的な伝導経路を持っていることが、高いリチウム伝導性を実現していることを突き止めた。

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