「サユースTMA-20M」宇宙船の打ち上げ成功 - 生まれ変わるロシアの宇宙船
ただ、人命にかかわるほどの大きな事故は起こしていない。
サユースTMA-Mは、今回の20号機で最後となり、今後はさらに大幅な改良が加えられた「サユースMS」が使われる。1号機の打ち上げは今年6月21日ごろに予定されており、ロシアのアナトーリィ・イヴァニーシン飛行士、米国のキャスリーン・ルービンズ飛行士、そしてJAXAの大西卓哉飛行士が搭乗する。
サユースMSは、サユース宇宙船シリーズの最新型にして、そして最後となる予定で、現在まったく新しい後継機の「フィディラーツィヤ」の開発も進められている。
ロシアの宇宙開発では近年、ロケットの打ち上げ失敗や衛星の故障などの問題が続いており、信頼性の低下が叫ばれている。しかし有人宇宙開発に関しては、無人機よりも慎重に進められていることもあり、前述のような細かなトラブルを除けば、大きな事故は起きていない。今後、サユースMSの運用、そしてフィディラーツィヤの開発で、その技術を維持することができるかどうかが注目される。
【脚注】
*1: ロシアの宇宙機の多くは、1号機に「1」という数字は付かず、機体名をそのまま呼ぶ。
なお、2号機以降は数字が振られ、たとえばサユースTMA-Mの2号機は「サユースTMA-02M」