2016年3月29日 13:08
既存の抗生物質にアルツハイマー病などの認知症予防効果 - 大阪市大が確認
これは、Aβオリゴマーを解離させて生じたモノマーが老人班に取り込まれて成長を促したためと考えられるが、近年の研究では、老人班は有毒なオリゴマーを封じ込めるために形成されるものと考えられており、わずかな増加であればそれほど問題にならないと思われるとしている。
また、タウが過剰にリン酸化され、タウオリゴマーが細胞内に蓄積する前頭側頭型認知症モデルマウスでは、タウオリゴマー、リン酸化タウがともに減少し、シナプスが回復し、記憶障害も改善されたことが確認されたとする。
さらに、若いマウスでは、経口投与量を少なくしても同様の効果が得られることも確認したとのことで、投与期間を長くすることで、投与量の削減などにつながることも期待されるという。
これらの結果を受けて研究グループは、リファンピシンは1960年代から用いられているため、副作用に関する情報も蓄積されており、ジェネリック薬品として安価に供給される点も含め、一部の患者で問題となる肝障害や薬物相互作用といった副作用をクリアできれば、認知症の予防薬として活用が期待できるようになるとしており、副作用の抑制に向けた投与方法の工夫などを進め、めどが立てば、臨床試験で実際の予防効果をヒトで確認していきたいとしている。