LINE MOBILEが突きつけた可能性と課題、「使い放題」はどこまで許される? - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」
しかし、サービスを高度化するためにDPIを活用することが常態化すると、通信の中身を一部傍受されることにもつながる。例えば、それを広告に活用したらどうなるだろう? 基本的には、利用者から許諾を得た上で利用する形でカバーしうるものとは思うが、暴走は戒めなければならない。
二つ目は「公正競争の維持」だ。例えば、携帯電話事業者が自社でのメッセージングサービスや動画配信で、パケット通信料をとらない、と決めたらどうなるだろう? そして、その事業者がすでにその分野で大きなシェアを持っているとしたら? 今から出てくる新しいサービスは、回線と通信サービスの両方で戦う必要が出てくる。すでに強い事業者はどんどん強くなる。
LINE MOBILEにも、公正競争維持の面では、少々微妙と思える部分がある。もやは日本において、LINEは最大のメッセージング・プラットフォームである。その影響力を使うと、通信回線事業者としてもかなり優位に立てる。
今回、LINEはFacebookやTwitterの使い放題も打ち出したが、うがった見方をすれば、そうしないと公正競争上で問題が出そうだから、ともいえる。
単に使う側に立てば、LINE MOBILEの試みは歓迎すべきものだ。