2022年10月25日 17:00
藤ヶ谷太輔、無精ヒゲ姿で疾走! どんどんやつれていくほど身を削って演技
そして、藤ヶ谷演じる裕一が、追いつめられ帰る北海道の苫小牧は、三浦監督の生まれ育った地でもあった。
「そこに強い思いがあったかと言われると、実はそういうことでもなくて。さんざん見てきた景色だったから切り撮りやすかったというのが、正直なところなんです(笑)。とはいえ、苫小牧独特の空気感が滲み出るような映像は撮れたのかなと思っています。何より、藤ヶ谷くん自身が苫小牧へ行って、菅原の生まれ故郷を体感してバックボーンを蓄積したことによって、その後の芝居においても役立ったように感じているんです。」(三浦監督)、北海道での撮影は4月だったにもかかわらず、真冬のように寒かったという。肉体的にも精神的にも追い込まれ、雪の中を途方に暮れて歩く藤ヶ谷の姿は、自身が演じる裕一により一層のリアリティがもたらされていたに違いない。
また、本作はシネマスコープのサイズで撮影されている。
「シネスコの狙いはまず、作品全体を『映画というもので包む』という意図があったので、仕掛けとして必要だったんです。
あとは、一見、はたから見たら、どうでもいいと思えるような些細な物語なので、それを敢えて、映画的に見せ切ることが、歪(いびつ)