ことぶき光、冨田勲さん追悼公演への思いと音楽体験(後編) - 歩んできた道のりで出会った物事は冨田さんとの仕事と「繋がっている」
でもサウンド設定に苦労されている姿が捉えられていました。実際にはいつくらいから打ち合わせが始まったのでしょう。
初めて声がかかったのは、その年の6月頃じゃないですかね。(交響曲の)構想自体は多分ずっと前からあって、音も作っていって、実際にライブで披露するというのは一番後なので。話をいただいてからは、実のところ3カ月くらいでやりました。
○"共有感"を喜んでもらえていたのでは
――そんなに短期間だと相当疲れたんじゃないですか。
いや、それはないです。よく「俺は何時間しか寝てねぇ」とか自慢するヤツいるじゃないですか。
でも例えば、何もやることがないまま3日寝られないっていうのは病気ですよね。そこでもう1つ考えられるのは、アイデアが降りてきてしょうがなくて、冴えて寝られないというパターン。そう思うと、「俺は何時間寝てねぇ」って人は「俺はこれくらい才能があるんだ!」と言って回っているのと同じですよね。そうじゃなきゃ、本当に倒れるように寝ちゃうはず。本当に寝られない時というのは良い意味で寝られないので、そこに疲れるとかしんどいというのは一切ないですね。
――インスピレーションも次々湧くような楽しみながらのお仕事だったんですね。