2023年7月30日 11:00
廣野凌大、明治座舞台に意気込み「暴れまくりたい」 自身の原点や転機も語る
心が折れそうになったことも当然あった。
「まずついていくことで精一杯。しかも現場で皆さんが話していることはまったく分からないんですよね。正直、何を聞いたらいいのかも分からない状態。しかも当時18歳ぐらいだったので、稽古や舞台が終わったあとも、みんなでお酒を飲みに行くこともできませんでした。最悪だな……と思うこともたくさんありました」
そこから7年、一つずつ作品を重ね、経験も積んできた。ある程度自信もついてきたというが、本当に俳優として「しっかりやっていくんだ」と思えたのは、今年3月に上演された舞台『鋼の錬金術師』だったという。
「それまでも、責任感を持って臨んでいましたし、うまくいったなと思ったこともありました。
でもそれは感覚的なことで、ちゃんと頭で理解できていたわけではなかったんです。だからうまく乗っていけるときはいいのですが、引き出せないときは全然ダメで。差が激しかったんです。でも『鋼の錬金術師』では、しっかりと言葉の大切さに向き合えて、セリフの持つ意味やパワーを考え、コントロールすることができたなと感じられました。それは脚本・演出の石丸さち子さんがいたから。彼女の存在は大きかったです」