スペシャリストの選書 - (10) データベース 人見尊志氏
構造とそれを操作するアルゴリズムが一般的にはこうで、オラクルだとこうだと対比させながら特性を見るのです。そうすることで、こういう動きをするからデータベースとしてこういった使い方をしよう、パラメータの設定をこうしようといった原理原則が学べます。
仮にオラクルデータベースの性能が出ないとき、インデックスを張ればよいと一般的な書籍には書いています。しかしインデックスを張るとなぜよいのか、どういったタイプのインデックスがよいのかといった深い知識まで持たないと、私たちはお客様に説明ができません。現場ではデータベースの通り一遍のマニュアルではなく、広くITの知識が必要になるので本書はお勧めできます。
○『トランザクション処理 上、下』――著者 : ジム・グレイ、アンドレアス・ロイター、発行 : 日経BP社
本書もコンピュータサイエンスの教科書として大学で使われている書籍です。
データベースは、結局のところトランザクションをどのように管理するのかという点が根幹にあります。本書はデータベースのトランザクションだけでなく、システムのトランザクションを管理する方法も説明しています。
データベースやシステムの読み取り一貫性を保つ方法は、各社のデータベース製品によって異なります。