原田眞人監督、子供時代を知る安藤サクラが「こんなに大きく…」撮影中に感じた女優としての魅力
実は涼介の方が、先にキャスティングが決まっていたんです。『燃えよ剣』で涼介と一緒にやって、あれだけ素晴らしい沖田総司を演じたのに、一つも賞が獲れなかったのはおかしいだろうという怒りもあり。それから、「沖田総司が現代に蘇ったとしたら、このタイプだろう」という思いもありました。安藤さんがネリを演じると聞いた時には、彼はもう飛び上がって喜んで、すごくやる気まんまんでしたよ。現場では2人とも、脚本に書かれたことだけじゃない、セリフの間のニュアンスがすごくいいから、いろんなアドリブができました。それもしつこくなくて、本当にそのキャラクターの中で生まれたケミストリーが画面に表れている。僕はモニターでずっと見ていて、笑い声を出さないように抑えていました(笑)
安藤:監督は、山田くんへの無茶ぶり演出が多かったと思います。
原田:いろいろ事件を起こしちゃった後に、ネリが出す指示をジョーが動き回りながら繰り返すんですよね。
(『クライマーズ・ハイ』の)「チェック、ダブルチェック」みたいな感じで(笑)。現場で彼が敏感に反応してくれるし、それに対して安藤さんも反応して、その連鎖が楽しかったです。
安藤:ジョーはすごくアホでかわいらしいんです。