浜ホト、MEMS製造技術による超小型次世代光電子増倍管マイクロPMTを開発
マイクロPMTは、シリコン基板を2枚のガラス基板で挟み込んだ、わずか3つの部品で構成されたシンプルな3層構造で、シリコン基板をエッチングで削り、従来の電子増倍部の電極配置と同様な構造を高い精度で形成できる。性能も、従来の光電子増倍管と同じ真空管で同じ動作原理のため同程度を確保。半導体製品と同様にプロセス処理する製造方法を採用しているため、大量受注にも対応できる。今回、独自の半導体製造技術、電子軌道設計技術、真空気密パッケージ技術、真空プロセッシング技術を総合的に利用した。中でも、MEMS技術によるところが大きいという。エッチングでは900μmの深堀加工を実現した。また、MEMS技術の陽極接合を用いてシリコン基板とガラス基板を貼り合わせている。これらにより、小型、軽量で衝撃に強いデバイスが実現し、高性能な携帯型分析機器などの開発に最適としている。
マイクロPMTの具体的な応用例としては、小型分析機器や、迅速診断キットを用いて患者の近くで診療中に簡単に測定でき、病院内の検査室で行う検査と同じ結果を得られるPOCT(臨床現場即時検査)が想定される。例えば、開業医の診察室や病棟の入院患者のベッドサイドで患者の目の前で行う検査、病院の救急救命センターや手術室での患者モニターなどがある。