2023年12月8日 07:00
亀梨和也、俳優として「サイコパスに近い人」三池崇史監&サイコパス研究者が太鼓判
でも本作では、サイコパシーが高くても人間で、それぞれキャラクター付けがあって「こういうところが逸脱するタイプ」、「こういうところは危機管理出来るタイプ」という描き分けがあったと思います。そこに面白みがありますし、サイコパスがどこか遠い怖い存在というよりも、人間としてこういう人がいますというリアリティを見て感じることができると思います。
三池:映画の中のサイコパスは大体が犯罪を犯しますが、犯罪を犯さないサイコパスもいるだろうし、“人を殺して暴力的だ”という意味とは限らない。サイコパスは、知能が高くて社会的にあるレベルの地位に居て、みんな非常に優秀じゃないですか。だからもっと身近にいる感じが出せればなと思いました。僕らの日常の中にもいるんだ、ということを言葉ではない方法で観る人に身近に感じてもらい、特別な映画ではない、と受け取ってもらうことが必要だというのは思っていたんです。
中野:例えば、乾刑事(渋川)は職務に忠実である立派な職業人ですが、それが行き過ぎてしまう所に実はこの人の本性が表れている。一見普通に見える人でもどこか普通ではない描き方で、とても魅力的に描かれていますよね。
菜々緒さんが演じている戸城も、自分のことを普通だと思っているものの、職業倫理としては許されない事を躊躇なくやってみせたりするシーンもあり、とても面白く見どころではあったと思います。