2024年1月23日 11:30
森雪之丞、氷室京介や布袋寅泰らから刺激を受け探し続けた“自分の場所” 初の自選詩集に込めた思い語る
でも70代には何が待っているのかという不安もあった。そんななか、これからの人生に気合を入れるという意味で、自分のなかで詩人というスタンスのものにこだわって作品を出したいと思ったんです」
1994年にミック板谷の絵とコラボした詩画集『天使』を上梓。そこから詩人として30年という歳月が流れた。
「正直最初の詩集を見ると稚拙な部分はありましたが、表現したいものはいまと変わらないと感じるんです。その時代ごとに科学や医学の進歩があり、生活様式は変わってきているのですが、結局は人間を描いている。例えばひたむきな部分、投げやりな部分、傷つき方なども違うのですが、次の日に向けて光を探す気持ちは、時代は変われど変わらない。それが人間の本質だと思うんです」
○「“先生”と呼ばれるのはピンとこないんです」
自由詩として自らの表現を模索してきたという森。一方でライフワークとして、世代を代表する一流アーティスたちに約2700曲の楽曲を提供してきた。
そのラインナップを見れば、エンターテインメントの歴史を作ってきた偉大なる作詞家であるが、こうした活動も、自身の詩にフィードバックされているという。「歌詞に関していえば、アーティストやシンガーに託すことで、彼らの心を通して初めて僕の言葉は世に届くわけです。