ちょっとシュールに「猫街鉄道放浪記」 (57) 引退直前の急行「きたぐに」に乗る
そんなことをしているうちに、「きたぐに」は23時すぎ、新潟駅を発車していくのであった。
ところで、寝台の上段に寝ると、もう降りたくなくなる。
はしごを降りるのが面倒くさくなるからだ。
同じはしごといっても、「あけぼの」や「北斗星」などの開放式B寝台はラクチン。
通路側ではなく、反対外にあるはしごに足をかければ簡単に降りられるからだ。
「日本海」のブルマン式2段寝台は、上段から降りるのにちょっと苦労はするが、さすがA寝台。
上段で体を180度回し、お尻を向けてはしごを降りていけば、簡単である。
ところがだ。
「きたぐに」の3段式B寝台では、あまりにも上段の高さがないので、寝台上で体を回転することができないのだ。
そこで、しょうがないので、寝る・寝る・寝る。
ラジオをつければ、コミュニティー放送の番組が聞こえる。
ゆるゆるな、たむらぱんの番組だ。
車両の中をぱしゃぱしゃと撮っていた人々も、自分のベットに戻っていた。
電車内は夜の帳が下りていく。
いつしか眠りに落ちていったようだ。
目が覚めたのは、6時すぎ。
京都駅にさしかかる頃。
大阪駅には定刻通り6時49分に着いた。