室内空気向上委員会「本当に安心できる空気清浄機の選び方・使い方」セミナー開催
同博士は微生物・ウイルス学の臨床研究の立場から「呼吸器感染症と科学的根拠に基づいた室内空気制御の工夫」について解説した。
インフルエンザなどのウイルスの感染ルートで、よく言われているのが接触感染と空気感染あるいは飛沫(ひまつ)感染と呼ばれるもの。
同博士によれば、後者を微粒子感染と呼んだ方が現実的だと言う。
接触感染は接触しただけで感染するようにイメージしがちだが、手を介して体内に入るという意味であり、手洗いをすれば完璧ではないものの、ほぼ防げるものだとも。
手洗いで防げないものが空気感染で、麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)、結核、インフルエンザなどがあり、インフルエンザも手洗いすれば防げるというのは誤り。
また、目の前でくしゃみをされるような場合を除いては空気感染しないと言う。
自身の実験から、ウイルスは空中を浮遊しながら生きており、それらは時間の経過とともに”失活”していくもので、同じ湿度であれば、気温が高いほど”失活”しやすく、同じ気温であれば湿度が高い方が”失活”しやすいとの結論を導き出した。
また、空中を浮遊するインフルエンザウイルスの除去にはフィルター付き空気清浄機によるろ過は一定の効果は見込めるが、イオンなど放電装置付きなどの付加機能タイプについては良い結果が見出せなかったとも。