2012年5月26日 08:45
鉄道トリビア (152) N700系普通車の座席は、同じ料金でも狭かったり広かったりする
狭い部分は座席の前後の間隔である。
他の普通車は前後の間隔が1,040mmで、これは100系以降から変わらない。
しかし、N700系の1号車と16号車だけは1,023mmで、17mmだけ狭くなっている。
その理由は先頭車の形状に関係している。
新幹線の先頭車は、伝統的に流線型になっている。
空力やトンネルに入るときの衝撃を軽減するためで、新型車両が出るたびに改良されてきた。
N700系の先頭車は、700系の先頭車形状を進化させた形で、「エアロ・ダブルウィング」と呼ばれている。
その長さは10.7mで、700系の9.2mより長い。
しかし車体の長さは同じだから、流線型部分を長くするには客室の前後長を短くする必要があった。
つまりN700系の先頭車は、700系の先頭車より客室が短い。
その上で、N700系と700系は座席数を同じくした。そのために座席の間隔を縮めたというわけだ。
指定席を取るなら16号車、自由席に並ぶなら1号車は要注意かもしれない。
もっとも、N700系は窓側の各座席にコンセントがあり、ノートパソコンを使う人も多い。
そんな人の中には、テーブルが近くて使いやすいという人もいる。