昭和の残像 鉄道懐古写真 (53) ゴールデンウィーク特別企画「昭和が生んだ通勤電車クハ79の”顔”」
原型グループの「ナナサン」顔をしっかりと踏襲しつつ、屋根の高さが70mm低くなったので、ちょっとだけすっきりとした印象になっています。
このグループの特徴は、前面のガラス部分すべてをHゴム支持にしたこと。
これにより、かなり印象が変わりました。
側面のドアと戸袋窓もHゴム支持となっています。
101系や103系でもおなじみとなる「傾斜した前面窓」のルーツとなるのがこのグループです。
傾斜窓は、クハ79350とクハ79352(ともに1953年度製)の前面窓上部を内側に5度傾斜させ、窓上部に運転室用の通風口を設置した試作車から始まりました。
1954年度製から、傾斜を10度に拡大して本採用。
また、前面窓上下の補強帯を廃し、平滑な印象になりました。
1952~1953年度は偶数車のみの新製でしたが、1954年度から新たに奇数車(301~)の新製も加わりました。
その結果、クハ79300~352と388~420は、奇数車と偶数車で前面のスタイルが異なるという珍しい例に。クハ79344(写真4)とクハ79345(写真5)にいたっては、ナンバーがひとつしか違わないにもかかわらず、前面はまったく異なっています。