昭和の残像 鉄道懐古写真 (56) 梅雨空の下、蘇る「青ガエル」の記憶
「青ガエル」の撮影会があるそうです。
「梅雨の時期だからねぇ~」……って、そういうことじゃなくて(笑)。
「青ガエル」こと元東急5000系の撮影会が、今月24日に長野県松本市のアルピコ交通(旧松本電気鉄道)上高地線新村車両所で開催されるのです。
この車両は1986年に東急電鉄より譲渡され、2000年の廃車後、保管されていました。
昨年には松本電鉄カラーから東急グリーンに塗り直され、東急時代の姿が蘇っています。
ワンマン運転用に取り付けられていたサイドミラーなども撤去し、できるだけ東急時代の姿に戻したそうです。
当連載でも、旧5000系の東急時代の姿を蘇らせてみたいと思います。
同車両は1980年、東横線からの引退、そして目蒲線(当時)への転属という節目を迎えていました。
東急初の新性能電車としてデビューした旧5000系。
1954(昭和29)年に東急車輛で製造され、画期的技術を取り入れた革新的車両でした。
おにぎりのように下ぶくれした丸みを持った車体は、航空機技術を応用した「モノコック構造」(張殻構造)によるもので、当時の超軽量車体を実現させました。
外板と骨組みが一体となって荷重を負担する構造により、車体だけの重量を比較した場合、旧型車両より30%以上もの軽量化に成功したのです。