ISSEY MIYAKEウォッチプロジェクト、日出ずる国の美しき時計「W」お披露目
「『W』には、この1年、私がデザイナーとして考えていたことのすべてが詰まっています」と和田氏は語る。
すでに「W」のプロジェクトがスタートしていた2011年3月、あの震災が起こる。
その後、約1カ月間、和田氏はデザイン作業ができない状況に陥ったという。
しかし、自分もこれからの日本のクリエイティビティに役立ちたいと思い直し、それまで考えていたデザインコンセプトを思いきってリセット。
すべてを1から作り直したという。
「次から次へと新しいデザインが生まれ、消費されていく。
でも、そこにはもう感動がなくなってしまった。
私達がいま注目すべきは、我々日本人のDNAの中に刷り込まれていると同時に失ってはいけない”伝統的な和の美しさ”だと思うんです。
それは、粋(いき)や間(ま)、そして品格。これからのデザインに必要なのは、新しいという価値より”美しい”という価値です」(和田氏)かわいい、カッコイイ、ではなく「美しい」という、純粋で研ぎ澄まされた普遍的価値。
それは、これからの日本を生きるすべての人々の間で共有できる感動だ。
そしてそれこそが、”Created in Japan”であることの意義なのだと和田氏は語る。