「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (15) 「バンガードのような運用会社を日本に創りたい!」目指すべき”お手本”発見
私にとっても本当に素晴らしいご縁でした。
何より私が尊敬するバンガード社の日本代表から共感を得られた喜びは、自分の思いが決して間違っていないということの自信にもつながって、忘れられない日となりました。
もっともその日は意気投合が得られたに過ぎず、運用業界のエスタブリッシュメントであるバンガード社への具体的事業提案はこれからです。
理想のパートナーであることは確信できても、気宇壮大とも言えるこの取り組みは勿論やさしくないことはわかっていました。
バンガードは世界最大級の運用会社でありながら、日本では一般的にあまり知られた存在ではありませんでした。
私もそれまでバンガードについては憧れ尊敬してはいましたが、インデックスファンドの元祖であり、チャールズ・エリス氏の「敗者のゲーム」やバートン・マルキール氏の「ウォール街のランダムウォーカー」に在る運用理論を実践して、独自の地位を築いた特異なる運用会社である、という程度の知識でした。
ところが加藤さんからその成り立ちから今に至るまでのレクチャーをいただき、深く知れば知るほど、既存の運用会社とは全く違う、独自の価値観と正義を堅固に貫く、良い意味での非常識極まりない、されど本来在るべき理想の運用会社だとわかりました。