今回のドラギ総裁の会見で、国債購入再開の詳細が示されなかったことなどが市場の失望につながったものの、数週間で具体的に取りまとめられることに加え、同総裁が、非伝統的な金融緩和措置をさらに導入する可能性に言及したほか、追加の利下げの可能性を示唆していることなどもあり、次回9月6日のECB理事会が注目されます。
ECBは、金融機関の資金調達を支援するLTRO(長期資金供給オペ)も再開し、しかもその規模を増やす可能性があります。
また、国債購入の再開についても、かなり増額される可能性があるほか、財政難を抱える南欧諸国などの国債をまとめて購入したり、EFSF債の購入を決める可能性も考えられます。
さらに、国債購入によって供給する資金を回収せず、市場に流通させることを容認する可能性もあります。
特定国の国債を購入するのと異なり、EFSF債の購入にあたっては、ECBが債券価格にあまり神経質になる必要がなく、利回りが極端に低下するまで購入を続けることもあり得るとみられます。
なお、EFSF債の購入は、特定の国だけの救済とはならないことから、ECBがその点を重視する可能性もあります。
また、EFSF債はこれまでのところ、ユーロ圏の国債・債券市場における重要な指標とはみなされていない模様であることから、ECBの購入によって利回りが大きく振れる場合でも市場に混乱が生じる可能性は低く、むしろ、投資家心理を強く支えることになると考えられます。