熱中症から子どもを守るために、その対策と処置法
ここでは、タレントの神田うのさんと医学博士の清益功浩さんによる、「『子どもの熱中症予防』スペシャルトークショー」の内容を紹介しよう。
高温の状況下では、人の体内の水分や塩分のバランス、調整機能(特に体温、水分、塩分調整)が崩れる。
熱中症は、これらの体内の障害によって起こる症状の一つなのだという。
体温が上昇した際、体は体温を下げる調整機構(自律神経)が機能し、発汗したり、皮膚の血管を拡張したりして熱を拡散しようとする。
これらがうまく機能しなくなったときに熱中症になってしまうのだそうだ。
熱中症の危険があるのは、気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、急に暑くなった環境などが挙げられる。
昨年の熱中症患者数は、8月にピークを迎えているという。
また発生場所としては部屋の中が多く、暑さのピークの14時~15時はもちろん、夕方の時間帯にも気をつける必要がある。
乳幼児は、「脱水になりやすい」「ノドの渇きの訴えがなく、自分で水分摂取をすることが困難」「体温が上がりやすく高め」などの特徴から、特に注意が必要なのだそうだ。
清益さんはトークショーの中で、熱中症を防ぐための心得、熱中症になってしまったときの処置法として以下のことを挙げた。
1)今の気温、湿度、天気を知ること
気温、湿度、日差しなどの放射熱で決まるWBGT(熱中症を起こす暑さ指数)に気をつける。
2)身の回りのものに注意すること
帽子、白を基調とした衣服、吸着性のいい下着を身に着ける。
できれば着替えを用意したり、タオルなどで汗をこまめにふいておいたりする。
3)水分補給を欠かさない
汗で失われた塩分と水分補給が大切。
脱水なら経口補水液をとる。
4)体温を下げる工夫をする
例えば、扇子やうちわで風を起こし、汗を蒸発させる。
5)体調管理をしっかりと
ストレス、寝不足、不規則な生活、風邪など体調が悪いと熱中症を起こしやすい。
1)涼しいところに移動して安静
日光のあたらない風通しのよい場所に移動。運動は速やかに止めて安静にする。
2)塩分を含む水分を補給する
適度な糖分と塩分を含んだスポーツ飲料がおすすめ。
嘔吐(おうと)しているときには少量ずつ。
意識のない時には誤嚥(ごえん)の可能性もあるので無理には飲ませない。
3)体温を下げる
衣服を緩め、体温が逃げるように市販の冷却ゲル、氷枕、冷たい水で首やわき、足の付け根を冷やす。
消毒用アルコールもOK。
扇風機、扇子などで風邪を起こす。
続いて清益さんは、経口補水液の作り方を実演して紹介した。
経口補水液を作るには、水1Lに食塩3g(小さじ1/2杯)、糖分40g(大さじ4と1/2)を入れて溶解する。
さらに味付けにレモンなどの果汁を使う(カリウムとビタミンの補給になる)。
作った経口補水液を飲んだ神田さんは、「スポーツドリンクみたい」と感想を述べた。
清益さんは「熱中症は予防できる病気。
熱中症とは何かを知ってきちんと対策しなくてはいけません。
暑い日が続くと、子どもは親の注意が必要です」、神田さんは「熱中症にならないようにアイスノンなどのグッズなども活用しながら乗り切りたい。
子どものいるお母さんがた、一緒に乗り切りましょう」と呼びかけた。
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