千葉県鴨川市郷土資料館で大漁祝いの祝い着「万祝」展開催中!
その鮮やかさは「漁民民芸の結晶」と呼ぶ人もいるほどで、生地は、通常は木綿が使われるが、まれに絹が使われた事例もみられる。
この染色技法は、現在でも各地に継承されて、民芸品などに活かされている。
「万祝」の注文が1回に20~100反くらいあったというほどの大ブームもあった。
房総地方では、一般的に紺屋は生活着からあつらえ品の「万祝」まであらゆる品の製造販売を行う「万(よろず)染物店」が普通だったが、「万祝」の需要が高まったころは、「万祝」中心の生産体制をとる店が現れたほど。
しかし、その後、需要がなくなり、多くが「万染物店」に戻るか、廃業・商売替えをするようになり、現在では鴨川市内にわずか2軒を残すだけとなっている。
和服の常として、古くなったものはほどいて仕立て直したり、ぼろとして消費されたため、古い「万祝」はほとんど現存していない。今回の展示では、郷土資料館に収蔵されている「万祝」9点、「型紙」8セット、万祝を着た当時の写真5点が紹介されている。
海の男の粋な晴れ姿を鑑賞できる貴重なチャンスだ。
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