なお、円の対米ドル相場は一時、77.13円まで上昇し、約7ヵ月ぶりの円高水準となったものの、その後は77円台半ばでの推移となっています。
また、米国債については、今回の資産購入の対象に含まれなかったことから、10年債の利回りが上昇する場面もありました。
(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
)FRBが今回のFOMCでQE3の実施と実質的なゼロ金利政策の延長を決定するとの観測は、今週に入ってかなり高まっていました。
それにもかかわらず、FOMCの結果発表後、市場の反応は大きなものとなりました。
この背景の一つに、このところのFRBのあまりに積極的な姿勢があると考えられます。
これまで明らかになっている経済指標から判断すると、新たな量的緩和策が今すぐ必要という状況にはないと考えられるにもかかわらず、FRBが積極姿勢を示したのを見て、市場関係者の多くが驚いているとみられます。
私は、FRBの今回の動きに、政治面への配慮が多少なりとも働いたとみています。
なぜなら、共和党とバーナンキFRB議長との関係は微妙で、同党の副大統領候補であるライアン氏は、量的緩和策を快く思っていないことを明言しているだけでなく、同議長が任期を迎える2014年には交代させる意向まで示しています。