2012年10月5日 13:06
高速トリビア (35) 橋を固めて道路を守れ! ”百年先”を読む地震対策とは?
地震大国と呼ばれる日本では、建築物の耐震強度を高めることは常に重視されてきました。
近年では道路についても、日常的な通行の安全性確保を当然の前提としながら、災害時にはライフラインの一つとなることから、耐震補強が課題になっています。
さらに、高速道路に関しては阪神淡路大震災において、阪神高速道路が甚大な被害を受けたことを教訓に、NEXCO各社は道路だけでなく橋梁の耐震補強にも力を注いでいます。
地震などの災害で橋梁部に甚大な損害が生じた場合、復旧には土工部(土を掘り、運び、盛り固めるなどの基礎的な作業)より多くの時間や費用がかかります。
NEXCO東日本では、阪神淡路大震災を教訓にして、災害に強い高速道路ネットワークを構築するため、多くの橋梁にRC(鉄筋コンクリート)巻立工法という耐震補強を行っています。
これは既設の橋梁周囲に鉄筋を巻き、その上から厚さ200~250mm程度のコンクリートを巻き立てて補強するものです。
東日本管内には開通から30年以上経過した東北道や常磐道がありますが、いずれも補強工事が一通り完了していたため、2011年3月11日に発生した東日本大震災でも、倒壊や落橋などの甚大な損傷はなく、早期復旧につながりました。