京都よりも古い!? 高知にも「大文字の送り火」があった!
小川さんは、「応仁の乱を逃れて中村に下った一條教房(のりふさ)の息子の房家(ふさいえ)が、教房と祖父・兼良(かねよし、あるいは、かねら)の精霊を慰めるために、京都を懐かしんで始めたと伝えらています」と話してくれた。
しかし、高知が始めたものが京都に伝わったという別の説もある。
真偽はハッキリと分かっていないようだが、いずれにしても古い歴史があることには間違いはない。
このように長い歴史を誇る中村市の大文字の送り火が、京都と違う点がもう1つある。
それはスケールが小さい点で、口の悪い人は「小文字焼き」と言ったりするようだ。
そもそも町の規模が違うのだから、それは仕方のないこと。
ある意味、観光目的ではない素朴なままの送り火の風情が残っているので、こちらの方が風情あると言っていいかもしれない。
その送り火を見るベストビューポイントが、トロ池を挟んだ対岸にある「四万十川野鳥自然公園」だ。
ほどよい距離がある上に、ちょうど目の前に広がることから、地元の人もおすすめのスポットになっている。なお、トロ池は野鳥の生息地・飛来地としても有名。
観察小屋や遊歩道、野鳥解説板などがあり、オオヨシキリやホオジロなども生息している。