鉄道トリビア (175) 首都圏ではあまり見かけない「首都圏色」の謎
国鉄時代に製造されたディーゼルカーで、朱色一色に塗られた車両は「首都圏色」「タラコ色」などと呼ばれる。
朱色とキハ40系の丸みを帯びた姿など、「タラコ色」と呼ばれるのはなんとなくわかるが、「首都圏色」とは不思議に思うかもしれない。
現在、首都圏にこのカラーリングのディーゼルカーはほとんど走っていないからだ。
なぜ朱色一色は「首都圏色」と呼ばれるようになったのだろう?この「首都圏色」は、国鉄時代に定めた色名称では「朱色5号」と呼ばれている。
首都圏でよく似た色といえば、中央線快速で活躍した201系のオレンジ色も思い浮かぶけれど、あれは「朱色1号」だった。
国鉄が定めた朱色は4種類あって、朱色1号が東京や大阪の通勤電車、朱色2号は欠番、朱色3号が修学旅行専用列車(155系など)、朱色4号が一般型気動車でクリーム色とともに使われた色またはディーゼル機関車の色、そして「首都圏色」と呼ばれる朱色5号だ。
朱色5号一色の塗装は、1975年に相模線で初採用された。
それまで普通列車用のディーゼルカーは朱色4号とクリーム色の2色で塗られていた。
ところが、国鉄の赤字が問題となっており、コスト削減の一環として車体の塗装費用を節約した。