鉄道トリビア (176) JR北海道・JR東海・JR西日本にあり、他のJR各社にない列車とは?
エル特急の登場で、国鉄の目論見通りに特急の人気が上がった。
東北・上越新幹線が開業すると、それに置き換わる形でエル特急が廃止されたが、、一方で新幹線に接続する新しいエル特急も誕生している。
こうして特急列車の増発や新設が続いたが、その反面、急行列車は特急列車に押される形で急速に衰退していった。
すると今度は、エル特急とその他の特急の区別が難しくなった。
そうした事情もあり、近年はエル特急ブランドも衰退傾向にある。
JR東日本は2002年に「エル特急」の呼称をとりやめ、通常の「特急」表示に戻した。
同様にJR九州は2009年、JR四国は2011年に、「エル特急」の呼称をとりやめた。
JR西日本も、「くろしお」「やくも」「加越」「北近畿」「雷鳥」の「エル特急」表記をとりやめている。
現在残っているエル特急は、前述の通り、「スーパーカムイ」「すずらん」「しなの」「ひだ」「しらさぎ」だけ。
いまとなっては「エル特急」の意味すら知らない人も多いかもしれない。しかしエル特急は、「気安く乗れる特急列車の旅」を普及させた立役者なのだ。
いわば「名誉称号」といえるもので、いつまでも残してあげたいブランドである。
【拡大画像を含む完全版はこちら】