【コブスくんのモテ男道!】日本男子が天使!? 外国人女子にモテるも、やがて……
「デートでは、いつも日本人街へ出かけて漫画を読むとか、日本のスーパーで買い物をする、というパターン。
まだ10代だし、当初は自分の国をそんなに好きでいてくれるんだってうれしかったけど、だんだんと執ようさが見えてきて違和感を覚えたんだ。おれに恋しているというよりも、想像のジャポンに陶酔しているんじゃないかなって……」
それを決定的にした事件が起こりました。マルティーヌが突然、髪の毛を黒く染めて隆の前に現れたのです。そして、
「私、東京に留学することに決めたの。天使の国で余生を楽しむわ。一緒に日本へ帰りましょう」
と宣言され、びっくり仰天。
「余生って、まだ青春も知らないお嬢さんでしょ。
何を言ってるんだよ、よく考えたのか?東京は天使どころか、悪魔しか住んでいないような町だぞって言ったのですけどねぇ」
そんな隆の反応に、マルティーヌは傷つきます。
「私は隆の写真を見たときから、この人といっしょに東京で過ごしたいって思った。ほかの人に取られたくないから、はり紙ごと家に持って帰ったの!」
わんわん泣きはじめた黒髪のマルティーヌを見ながら、隆は不思議と冷静でした。
「彼女が張り紙を持って帰ったから、ほかの人から電話がこなかったんだー、なんてことを考えていました。