【コブスくんのモテ男道!】食中毒に注意! 手作り弁当で気をつけることとは
そこで、内科医で大阪府内科医会副会長・泉岡医院院長の泉岡利於(いずおか・としお)先生に、「手作り弁当で気をつけたい食中毒の予防法」について伺いました。
■菌をつけない・増やさない・やっつける
――お弁当を作るうえで食中毒を防ぐためには、どのようなことに気をつければよいでしょうか。
泉岡先生食中毒を起こさないために大切なことは、食中毒予防の3原則『菌をつけない・増やさない・やっつける』です。
「手をよく洗う」、「食材をよく洗う」、「十分に加熱する」、の3つを心がけましょう。
食材を手にする前はもちろん、生肉や魚を触ったときにはその都度、手を洗うことが重要です。魚や肉を調理したまな板や包丁は使いまわしをせず、洗剤で洗うなど、消毒を心がけましょう。
ここで、『食中毒を予防する8つのポイント』をご紹介します。
1.ごはん、おかずはよく冷ましてからフタをする
2.おにぎりを握るときはラップを使う
3.弁当用の保冷剤を利用する
4.前日のおかずを使うときにはもう一度火を入れる
5.野菜や果物の余分な水分はふいて詰める
6.わさびやショウガ、梅干しなど、殺菌・抗菌効果のある食材を上手に利用する
7.プチトマトなどの野菜のヘタは雑菌が多いので取り除く
8.お弁当箱は酢をつけたキッチンペーパーでふいてから詰める
――食べる前に、お弁当を電子レンジで加熱をすると、食中毒は防げますか。
泉岡先生基本は、食材に十分加熱を行うことが重要です。ですが、中まで火が完全に通っていないと効果がないので、電子レンジでの加熱で食中毒を防げると言いきることはできません。
中には、おにぎりでの食中毒の原因に多い黄色ブドウ球菌のように、100度で30分以上加熱しても死滅しないものもあります。
ですから、菌をつけない、増やさないことが重要です。
■無理に食事はせず、水分補給を心がける
――食中毒の症状とはどのようなものでしょうか。泉岡先生食品を食べて症状が出るまでの期間は、原因となる細菌や、どのくらいの量を食べたかによって異なりますが、たいていは下痢やおう吐、腹痛、発熱といった症状が見られます。
また、おう吐や下痢を繰り返すことで、体のナトリウムやカリウムなどのバランスが崩れ、体がだるく感じることもあるでしょう。症状が重い場合は、けいれんを起こす可能性もあります。
――会社で、食中毒の疑いがあるおう吐や下痢をした場合、気をつけることを教えてください。
泉岡先生2次感染を防ぐことが重要です。汚れた衣類などを片付けるときは、なるべくビニール手袋やマスクを用いてください。
片付けた用具やぞうきんなどは、塩素系漂白剤でつけ置き洗いをします。汚れた床は、塩素系漂白剤を含ませた布で覆い、しばらく放置して消毒をしましょう。
また、片付けが終わったら、忘れずに手洗いとうがいをしましょう。
――実際に食中毒の症状が出た場合、どう対処すればよいでしょうか。
泉岡先生もし、自力で水分がとれないようであれば、すみやかに受診して点滴をうけるようにしてください。
食中毒の症状で一番心配なことは、大量の水分が奪われて脱水症状を起こしてしまうことです。スポーツドリンクのようなイオンを含む水をしっかり飲んで、水分補給をしてください。
食中毒の場合は、絶食することが基本です。無理に食事をして余計に吐いてしまい、さらに脱水症状を引き起こす恐れもあります。2~3日食事を取ることができなくても心配はありませんから、水分補給を忘れず行ってください。
手と食材を洗う、調理には十分に加熱するという意識を高め、自分のため、また誰かのためにつくるお弁当は、安全かつ安心できるものでありたいです。
監修:泉岡利於氏。医学博士。内科医、大阪府内科医会副会長。医療法人宏久会泉岡医院院長。
泉岡医院大阪市都島区東野田町5-5-8JR/京阪電鉄京橋駅中央出口から徒歩7分TEL:06-6922-0890http://www.izuoka.com/
(岩田なつき/ユンブル)