2012年は天文現象の当たり年と言われており、5月に起きた「金環日食」や6月に起きた「金星の太陽面通過」を実際に見られた方も多いのではないでしょうか。
次に見られる大きな天文現象としては8月14日の未明に、日本国内の広い範囲で見られる「金星食」があります。
そこで、今回はその主役とも言える、金星についてあらためて紹介したいと思います。
■ 「宵の明星」と「明けの明星」
金星を表す言葉として、「宵の明星」や「明けの明星」というものがあります。
金星は、地球の内側を回っている内惑星であるため、地球からは太陽とほぼ同じ方向に見えることになります。
そのため、日の出前の数時間と、日没後の数時間しかその姿を見ることはできません。
日の出前の東の空に輝く金星のことを「明けの明星」、日没後の西の空に輝く金星のことを「宵の明星」と言います。
■ 女神「ヴィーナス」の正体
マイナス4等級以上を誇る金星は、地球から見ると明るく輝く美しい天体で、この明るさは太陽・月に次いで全天で3番目となります。
また、望遠鏡で地球から金星を観測すると、月と同じように満ち欠けをしていることが分かります。
さらに、その大きさは、直径が地球の95%、質量が80%で地球とよく似ています。