どんなに丁寧に教えてあげても、失敗することはあるでしょう。しかし、絶対に感情的に怒鳴りちらしてはいけません。萎縮してしまい、指示されたことしかやらないという状況から抜け出せなくなってしまいます。怒るのではなく、叱るのです。
彼らは怒られることをおそれますが、具体的な指導はよろこびます。この世代は勉強熱心ですし、素直な面も持っていますから、丁寧に教えてあげれば吸収してくれるはずです。あなたの成長を願っているから指摘しているんだという意志をきちんと伝えましょう。
もちろん、個人差はありますが、指導にはかなり時間がかかります。
長い目でみるという覚悟を持って接してください」
ゆとり社員を指導するときには、叱るスキルも必要なのですね。
■仕事ができたという実体験が成長につながる
――ゆとり社員を教育するポイントを教えてください。
「彼らは努力が保障されない、信じられるものがないという環境で育ってきました。そのため、コツコツと努力を積み重ねていけば、将来はやりたいことができるよ、という指導は有効ではありません。
それよりも、『できる』ことを増やしてあげたほうがいいですね。ひとつでも増えた実感があれば、『がんばれば仕事ができるようになるんだ』と思えるようになりますから。