くらし情報『【雑学キング!】もしも科学シリーズ(8)もしも太陽が近づいたら』

2012年9月16日 12:50

【雑学キング!】もしも科学シリーズ(8)もしも太陽が近づいたら

これが温室効果だ。温室効果ガスとして名高い二酸化炭素やメタンはいまや悪者扱いされている感もあるが、これらがなければ氷河期から抜け出せなかっただろう。

水蒸気も優秀な温室効果ガスだ。先のシミュレーションは大気の状態変化が含まれない計算だが、気温が上がれば水蒸気が増えるのは当然で、実際の気温上昇はもっと激しい。水蒸気が増えると気温が上がってさらに水蒸気が増える、この悪循環を繰り返すうちに地球は慢性的に厚い雲に覆われてしまい、気温は加速度的に上昇する。

厚い雲は太陽光を妨げる役割も果たすので、受け取るエネルギーが減るのは確かだが、問題は収支のバランスだ。受け取るエネルギーが出ていく量を上回ってしまうと、気温は下がることはない。これが暴走温室効果状態だ。


やがて湖や海が干上がり、最終ステージである暴走温室状態に陥る。そこには生物が生き残れる場所など存在しない。水蒸気が宇宙に蒸散し、早く雲がなくなることを祈りながら、宇宙のどこかで待つしかない。ただし暴走が納まっても、水が少なくなった地球で生活できるかは別の話だが。

■まとめ

かつて暴走温室状態だったとされる金星は、いまや90気圧の大気と400℃を超える大地、水蒸気はわずか0.002%と、人類が住める可能性はない。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.