ケバブといえばトルコ料理として有名ですがシリアでも食べられます。シリアではしつこさ脂っこさが一段落ちた感じで、肉の旨味をより感じられるケバブです。旨いナスを使ったペースト料理『ムタッバル』は特筆すべき味です。
ナスを丹念にすり潰し、ニンニクを入れてさらにすり、タヒーネ(ゴマのペースト)とレモン(これが大事)に塩、ヨーグルトで味を調えます。これにパンでいくらでも食べられます。マグルーバは鶏肉、米、ナスなどを一緒に炊き込んだ料理ですが、これがまた絶品です。
米、ナスに鳥の旨味がよく滲みてぱくぱくいけてしまいます。これでビールでもあればなあと思うのですが、残念なことにイスラム圏なのでアルコールはNGなのです。
■地理的にはややこしいところです
シリアは政治的に非常にややこしい場所にあります。最西部が一部地中海に面していますが、その下はレバノン、そこから反時計回りに、イスラエル、ヨルダン、イラク、北はトルコに接しています。政治的に曲がりなりにも安定していると言えるのはトルコだけで、まさに紛争地帯の渦中にいると言えます。
特にイスラエルとの間では未だに国境線が確定していません。中東戦争の激戦地となったこの地は、ゴラン高原と呼ばれますが、ここはまさに今でも一触即発の場所です。