当時宇宙開発でアメリカとしのぎを削っていた旧ソ連も動物を打ち上げています。「地球は青かった」で有名なガガーリンの前に、10匹以上の犬を使って実験したと言われています。一番有名なのは1957年に衛星軌道上を回った「ライカ」です。ライカもかわいそうに地球には戻れませんでした。今なら動物愛護団体が決して許さないでしょう(笑)。
■日本の執念! 原因を究明せよ!
日本のロケット開発の歴史は開発者、研究者たちの血と汗の結晶です。1999年11月15日にH2ロケットが墜落した時の原因究明に賭けた執念はまさに鬼気迫るものでした。H2の第1段ロケット『LE-7』は芸術品とも呼ばれるエンジンでした。
この世界に誇るエンジンが不調を起こし、発射から3分59秒後に噴射を停止。泣く泣く信号を送ってロケットを爆破しました。
爆破されたエンジンを回収して原因を究明すべくNASDA(宇宙開発事業団、今はJAXAに統合)とJAMSTEC(海洋研究開発機構)が動き出します。NASDAでは、ロケットの墜落地点の正確な予測、JAMSTECは1万1,000メートルまで潜れる『かいこう』を使って探します。と言っても広く、深い海が対象のため、なかなかうまくいきません。