【雑学キング!】もしも科学シリーズ(61):もしも超酸に触れたら
今年3月、女性の靴にフッ化水素酸が塗られる事件が起きた。振られた腹いせらしいが、やり過ぎにもほどがある。
もしも強力な酸やアルカリに触れたらどうなるのか?ガラスやろうそくをも溶かす酸、眠気を誘うアルカリなどの不思議な物質が、体内深くまで浸透し、壮絶な結果を生むことになるだろう。
■体内を巡る酸
学校の理科では、酸やアルカリの強さは水素イオン指数(pH)で表されると習った。pHは7を中性とする0から14の範囲で、7未満は酸性、7より大きいものは塩基性(アルカリ性)となる。どちらも7から離れた値の方が強い性質を示す。
身近な物質の目安を挙げると、
・胃液…1.5~2
・ビール…4.5
・水道水…6.5~7
・せっけん水…7~10
・こんにゃく…12
だ。
pHには常用対数が用いられているため、1の増減が10倍の差を表す。
例えばpH1の硫酸を10倍に薄めるとpH2に、100倍に希釈した場合はpH3となる。
pHとは異なる尺度として酸解離定数があり、強力な強酸や超酸に用いられる。酸解離定数はKaと表され、数値が大きいほど強いことを意味するが、物質によっては非常に大きな数になる場合があり計算が面倒なため、負の常用対数pKaで表されることが一般的だ。