くらし情報『【雑学キング!】もしも科学シリーズ(61):もしも超酸に触れたら』

【雑学キング!】もしも科学シリーズ(61):もしも超酸に触れたら

だ。pKaは-25で、なんと100%硫酸の2,000京倍の強さを誇る。

複数の酸を混ぜ合わせた物質もある。フルオロスルホン酸(FSO3H)と五フッ化アンチモン(SbF5)から作られたマジック酸は、ろうそくをも溶かすことからマジックの名がつけられた。硫酸の1,000倍と見積もられ、数値はヘキサフルオロアンチモン酸に及ばないものの、炭化水素をイオン化できる点が評価され、作者のジョージ・オラー博士は1994年にノーベル化学賞を受賞している。

ろうそくが溶けたから何?と思ったが、ノーベル賞と聞くと、その特殊性が分かったような気がする。

■眠くなるアルカリ

酸の逆の存在である塩基(アルカリ)では、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)が最強クラスと呼べるだろう。塩基の強さをあらわすpKbは22と、ヘキサフルオロアンチモン酸の対抗株としてふさわしい超塩基だ。


アルカリはタンパク質を分解するため、皮膚や髪を溶かすのが酸と異なる脅威だ。それに加えてリチウムジイソプロピルアミドは、呼吸器への刺激や眠気/めまいを起こすので、触れなくても被害が及ぶ。さらには-25℃以上で引火し、燃焼すると高温で分解し有害な粒子を発生する。

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