“理想の私”にはなれなくても、“不完全な私”が愛おしい
落ち葉でふかふかの地面はじゅうたんのように暖かく、足を下ろすたびにしゃくしゃくと音を立てる。
世界は思ったよりも優しく暖かい。
頑張り屋のあなたは窮屈な高いヒールの靴を履いて、かかとを下ろせずに頑張っているのかもしれない。
疲れたのなら、思い切って降りてみる。
意外にも地につけた足は心地よく、そこから見る景色が素晴らしいことに気づく。
ゆっくりでも地に足をつけて自分の足で進む方が大切。
ふと、街で見かけた彼女たちを思い出す。
背伸びせず、自分を引き立たせるお気に入りを長く使う。
「私は完璧じゃないけどそんな私を気に入っているの」
そう言っている気がする。
理想の自分になれたら、新たに何かを手に入れたら、街で見かけたような素敵な人たちになれるのかと思ったけど、結局自分は変わらないし、ファッショニスタのようなオーラは手に入らない。
でも、完璧じゃない自分のなかに「それ」はもともとあって、それに気づいたとき不完全な自分が少しだけ好きになれた。
私は文章を書くのが苦手だ。
毎回部屋に閉じこもっては書いては消し書いては消し、伝えたい何かがあるのだけど、つかめずに指の間からするりと抜けていく。