大切なあの人に手渡したい、贈り本。【TheBookNook #41】
文:八木 奈々
写真:後藤 祐樹
みなさんは、誰かに“贈り物”をしたことはありますか…?
普段お世話になっている知人や、大切な家族。友人、恋人、もう二度と会えないかもしれないあの人……。
溢れるいとおしい気持ちや言葉に詰まるほどの感謝の気持ちを“贈り物”という形で示すことはとても素敵なことですよね。
今回、私がおすすめしたいのは、“本”の贈り物。“物語”というのは贈る側にも贈られる側にも、さまざまな可能性を見せてくれます。
贈り手の心をまっすぐに表現し、贈られた人の心に寄り添う……。
そう、本の贈り物はラブレター。
本を読みながらふと思い浮かんだあの人に、その物語を贈ってみませんか……? どんな言葉を並べるよりも想いが伝わる一冊があるかもしれません。
1. 原田マハ『スイートホーム』
町の小さな洋菓子店“スイートホーム”を営む香田家をとりまく家族の物語。
他、全9編からなる心温まる短編集。絵に描いたような幸せとはきっとこういうこと。街も人も非の打ちどころが一切なく、善人と美味しいものしか登場しません。
もちろん良いことばかりではないけれど、悪いことばかりでもない。