神社でデトックス! 心と体をきれいにする「夏越の大祓」とは
■災いを祓う「茅の輪くぐり」の物語
1年に2回、6月30日と12月31日に行われる「大祓」。しかし「夏越の大祓」については、「茅の輪」がその象徴のようにもなっています。これは、なぜなのでしょうか?
実は、この「茅の輪」の起源は、日本のとある伝承から来ているのです。昔、「須佐之男命(すさのおのみこと)」という神様が旅をしていて、ある村で一夜の宿を借りようとします。
その村には、「蘇民将来(そみんしょうらい)」と「巨旦将来(こたんしょうらい)」という兄弟が暮らしていました。巨旦将来は、お金持ちでありながらも宿を貸すことを断ってしまうのですが、蘇民将来は貧しいながらも宿を貸し、心を込めておもてなしをしたのだそうです。やがて年月が過ぎ、その土地に悪い疫病が流行っていたとき、須佐之男命は以前恩を受けた「蘇民将来」の子孫を助けようと「蘇民将来の子孫は、茅の輪をつけて名乗り出なさい」と言い、その子孫を救ったのです。
この神話に基づいて、「茅の輪くぐり」は始まりました。
蘇民将来の名前を呼びながら茅の輪をくぐることで、病や災いを祓え除けるという儀式が現代に伝わったのです。
「須佐之男命」は災いを除ける強い力を持つ神様ですから、どんな悪いものも払いのけて、元気に夏を乗り切ることを願って、このような形になったのでしょう。