アカデミー賞ノミネート、ルーニー・マーラ来日『ドラゴン・タトゥーの女』来日記者会見
●リスベット役を引き受けた理由は?彼女のどこに共感したか。ルーニー・マーラ:原作を読んで好きになりました。読まれた方は皆さん彼女に共感を覚え好きになると思います。彼女をどのように演じたらいいかよく考えて、私はリスベットを演じことができる・理解できている、と思ったんです。彼女には色んなかたちで共感しました。人生の中で、周りに誤解される、のけものにされる、と感じることは誰にでもあることだと思います。特にその点で共感することができました。引き受けた理由は、若い女優にとってこのような役に巡り合えるのはめったにないことですし、これは大きなチャンスだと思ったからです。
●リスベットのキャラクター造形について。デヴィッド・フィンチャー:特に足したことはありません。原作の中でかなり入念に描かれています。なので2作目、3作目も読んで創っていきました。映画ではキャラクターが何を考えているかを表現することが大事だと考えています。ただし原作すべてを映像にするのは難しいので、シチュエーションをいくつか選んで、その中でリスベットだったらどのように振舞うかを見せることで、観客にはそこから感じてもらえるようにしました。足したというよりも、引いて、排除していく作業でしたね。まるで砂金をふるいにかけてを金だけを残すように、彼女の光り輝く部分を残すようにしました。
このようにヒントを提示していくのは、クリエイトというよりも解釈した、という方が近いかもしれませんね。
ルーニー・マーラ:今回のキャラクターづくりはすべてコラボレーションでした。監督、衣装デザイナー、プロデューサー、全員と話をさせてもらって、衣装からアイテムまですべて決めていきました。原作からのイメージが基本です。
●スウェーデンにこだわったのは、原作のどの部分に印象を受けて?またスウェーデンでの長期撮影の苦労は?デヴィッド・フィンチャー:他の街はまったく考えられませんでした。原作で描かれているように街がキャラクターにもたらすものはあまりにも大きい。それにとてもスウェーデンっぽい物語です。さらにはなんといっても原作がスウェーデン舞台にしていて、あれだけヒットされているんだから、映画も見習おうと思いました。
ストックホルムというのは独特のデザインをもった街です。街のもつ雰囲気を作品に取り込むことができたと思っています。電車のシーンもそうですし、ラストシーンのミカエルのアパートの下にある石畳の道はとても美しいショットが撮れました。あとはなんといっても寒さですね。皆さんには作品を観ていても、スウェーデンの凍てつくような寒さを感じていただけるかと思います。