伝え方で偏見を超えられる?【伝え方が9割】

58万部突破のべストセラー『伝え方が9割』の著者、佐々木圭一さんに、読者の皆様からのお悩みに解答していただくこのシリーズ。第31回目は、偏見を取り除く伝え方について教えていただきます。

伝え方で偏見を超えられる?【伝え方が9割】

(c) xiaosan - Fotolia.com


【相談】紙で作るバラのアクセサリー、ロザフィとプリザーブドフラワーなど、手工芸の教室と販売をしています。近々、障がいのある方の作品もお預かりして販売していきたいと思っています。偏見を取り除き、作品の良さを伝えたいのですが、どのように表現すれば良いでしょうか?

【回答】これはあくまでも一般論ですが、障がいを持っている人=かわいそう、というイメージを持っている人がいると思います。そういった人たちが商品を手に取ったとき、あらかじめ「これは障がいを持つ人が作った作品です」と書かれていると、例え良質な商品であったとしても、そのフィルターを通して作品見てしまい、違った視点から作品への感想を持ってしまうことが考えられます。

こういった偏見を取り除きたいのであれば、事前に知らせることはせず、作品を買ってから見ることができるメッセージカード等に、事実を記載してみてはいかがでしょうか。一例は以下になります。


「この作品は耳が不自由な方が作りました。そのぶん、色のセンスがずば抜けている作品です。どうぞお楽しみ下さい」。このように、障がいを持つ人のクリエイティビティの高さをひと言添えると、購入者は「やっぱりすごい作品だったんだ」と納得するとともに、作った人に対してリスペクトする気持ちも生まれます。しかも、障がいを持つ人が作った作品だとは知らずに、自分自身の意思で商品を選んでいますから、「かわいそう」という感情も生まれません。

事前に伝えるのではなく、購入者自身が選んだうえで、作者の実像とクリエイティビティの高さを伝える。この方法を実践してみて下さい。

次回は、身近な人に感謝したい女性からのお悩みに解答していただきます。


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