離婚時の弁護士費用(「離婚」が頭をかすめた時に…特集3 )
■離婚の時、一番費用がかかるのが弁護士報酬家庭裁判所の調停でもまとまらなかった場合、最後の手段となるのが離婚裁判だ。離婚調停を必ず通った上で、それでもまとまらなかった時に突入する。
離婚裁判で一番費用がかかるのは、通常、弁護士に対する報酬だ。従来は報酬基準が定められていたが、2004年からは弁護士と依頼者の話し合いで報酬を決められるようになった。
弁護士に依頼したい時は、まず、相談料がかかる。基本は30分5,250円だが、中には初回無料の弁護士もいる。正式に依頼をする時には「着手金」、依頼目的を果たしたときに「報酬」として、それぞれ30万円から60万円を支払い、あとは実費だ。
遠方への出張の時には、日当も発生する。
財産分与や慰謝料など、お金の問題まで扱う場合は、獲得した額に対するパーセンテージで報酬が設定されている弁護士もいるが、固定料金の弁護士もいて、まちまちだ。
■離婚を扱った件数がひとつの目安いろいろな弁護士がいる中、「良い弁護士に出会えるか?」は、死活問題だ。豊田さんに弁護士選びのポイントをいくつかあげてもらった
<離婚に強い弁護士を見極めるポイント>
・離婚を専門にしている
・離婚を扱った件数が多い。件数が多いということは、ベテランの可能性が大。
・DVによる離婚の場合は、DVへの理解がある
・話しやすく、理解しあえそう。
・相性が良さそう
・忙しすぎず、相談などにきちんとのってもらえる
知人に紹介してもらっても、信頼関係が築けそうにないと感じたら断る勇気も必要だ。
■法律扶助という制度もあり
経済的に困窮しており、どうしても弁護士費用が捻出できない場合は、「
法テラス」から、一時的に弁護士費用を立て替えてもらい、分割で返還していく制度もある。
ただし、この制度の利用には資力などの要件(※)がある。
離婚裁判の場合、勝てる見込みのない人、つまり離婚原因が本人にある場合などは断られる場合も。立て替え分は、調停や裁判が終了した後に、毎月返済していく。
※3人家族で手取り月収(賞与含む)が27万2,000円以下(大都市は10%プラス)などが目安だが、内容によってはこの限りではないため、まずは問い合わせを。
【連載:「離婚」が頭をかすめた時に…特集】
・
第1回 離婚してお金で得することは少ない
・
第2回 離婚前に別居する時の注意点3つ
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第4回 離婚をする時のお金はどうなるの
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第5回 離婚後の生活の立て直し方