あなたの最高と最低を引き出す存在 ~家族の扉~(女性の幸せの見つけ方特集-5)
扉の向こうにあるもの(3)=娘、息子とも、幸せな距離をとる
自分の息子、娘との関係についても考えてみたい。娘については、先の母親とのくだりで逆の立場を想像してみると、いろんなことに気づけるのではないだろうか。
ここでは息子の場合を考えてみよう。男の子は12歳~13歳から、急速に母親からの自立を始める。しかし、母親から見れば、ちょっと前まで一緒にお風呂に入ったり、抱きしめたりしていたことを、すぐに切り替えることはできない。それゆえ、確執が生まれてしまうこともある。
「息子や娘といい距離を保てているかどうかは、女性の人生後半の幸せを決めます。たいていの母親が、子どもに嫌がられていると知りながら、『いつまでも子どもといたい』という自分の気持ちを押し通そうとすることを抑えられません。
今後そうした局面を迎えた時、自分を抑えるだけの理性がありますか?」と、本田さん。
子どもとの確執を避けるためには、子どもが小さい頃から、「娘、息子とも、いずれは親と距離をとるものなんだ」ということを頭の片隅に置いておくことが必要だ。それがあるのとないのとでは、「その時」の迎え方が違うからだ。
全員が努力しないと、家族は幸せになれない
「世界のなかで、もっとも民主主義が遅れているのが家庭です。そうした公平性のない、ある種の無法地帯だということが、家庭にわだかまりが起きてしまう一面なのです」と、本田さん。
健康的な家族は、ルールをちゃんと決めて、それをみんなで守っている。そして、それを破った人は、罰を受けたり、みんなに謝罪をしたりする。
「ルールを決めて、みんなで楽しく生活する。
お互いを思い合い、困ったり、つらかったり、悲しかったら寄り添う。これが家族の幸せのかたちです。」(本田さん談)
家族全員で、家族が幸せになるために日々努力をする。そんな発想に、目から鱗が落ちる思いがした。
(ライター:楢戸ひかる)