連載記事:法律で切るママトラブル
子どもによるスマホトラブル、親はどう向き合う?(法律で切るママトラブル Vol.4)
子どもが勝手にアプリで課金をしてしまった場合取り消せるのか?
子どもたちも大好きなゲーム。熱中しすぎて気がつくとゲームに課金を繰り返し、請求金額が膨らんでいて、親が驚くケースがあります。では、子どもが勝手にアプリ内課金した高額請求は取り消せるのでしょうか?
法律上、未成年者が契約した場合、後から取り消せる場合があります(民法第5条1項2項)。
どんなケースであれば取り消せるのかというと、
- 親の承諾を得ていない
- 課金等の金額が子どもの通常払える範囲を大きく超えている
- 契約時に年齢などを偽っていないこと
以上の3つが必要となります。
ゲームアプリのなかには、事前に本人の年齢を確認していたり、一定年齢以下の場合には課金に上限があったりするものもあります。もし子どもが年齢を偽ってゲームをしたり、課金していたりした場合、年齢の詐術があった(民法21条)ということになり、取り消せない可能性があるのです。
ゲームをさせる時には、課金していないか確認する、年齢制限のあるアプリではないか確認するなどの親の監督が必要です。取り消すことができない課金の代償は親の責任となって支払い義務が生じてしまいますので注意しましょう。
年齢制限のあるサイトの閲覧やアプリをダウンロードしてしまったら罪になるのか?
年齢制限のあるサイトやアプリは、閲覧しただけでは、基本的には子どもが罪に問われることはありません。しかし、このようなサイトやアプリは通常、有料であったり、本格的に利用するには課金する必要があったりする場合が多いのです。課金の際には改めて年齢を問われないため、課金への障壁が少ないという問題があります。
課金した場合に取り消しができるのかについては、先ほど述べたとおりです。サイトの閲覧やアプリをダウンロードする際、年齢を問われているならば、閲覧・ダウンロードの時点で子どもが年齢を偽ったことになり、取り消しは難しくなります。
子どもに対しては、このようなサイトやアプリの危険性について伝えておくことが重要です。
子どもにスマホを自由使わせない方法は?
<チャイルドロックアプリを活用>
子どもがまだ小さいなど、子どもにスマホを持たせていない場合、子どもは親のスマホを使って遊びたがります。ゲームをさせるのはいいけど、他の部分は触らせたくない。そんなときには、チャイルドロックというアプリを使ってみてはいかがでしょうか。
これは、親の指定したアプリ以外にロックをかけるというもので、特定のアプリを選んで登録すれば、特定のアプリしか表示されなくなり、電話帳やメールなどのアプリが起動できないので安心。無料のものや、ロックのレベルを選べるものもあるようです。これを使えば、「子どもが勝手に有料バナーを押していた」などの事態を防ぐことができますね。