日本人が日常的にアクセサリーを身につけるようになったのは100年ほど前だとか。
当時の主流の宝石は帯留めや髪飾りで、中でもおとなの女性達の間で人気を集めていたのが「ひすい」です。
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落ち着いたまたたきを放つ緑の鉱物は、たおやかさと芯の強さを併せもつ、理想の女性像の象徴だったのです。
グリーン系の宝石なら、エメラルドが有名です。
エメラルドは透明感あふれる鋭い輝きに特徴がありますが、日本人のしっとりとした、きめ細やかな肌と、漆のようななめらかな黒髪を際立たせ、神秘的な印象を与えるは、「ひすい」の方が上と言えます。
日本人の肌の色と「ひすい」の緑の光は、とても相性がよいのです。
美人を形容する「みどりの黒髪」という言葉があります。これは、青みを帯びた髪色を指す単語ではなく、艶やかと言う意味です。
生後まもない赤ちゃんを「みどり子」と呼ぶことを知っていますか?もちろん、生まれたての子が緑色をしているわけではありません。
色彩の「緑」意外にも、赤ちゃんの持つ艶々している様や、生命力あふれる様子をみどりと呼んでいたと言われています。