■終わることない課題を受け入れよう!
カミュは、『シーシュポスの神話』を取り上げて、この世界について述べています。
シーシュポスとは、ギリシャの王様ですが、神に逆らったことから非常に重い罰を与えられてしまいます。
その罰とは、冥界の山頂まで、巨大な岩を押し上げるというものです。
何がつらいって、その巨大な岩は、やっとのことで山頂まで押し上げても、山頂に到着した瞬間に、また冥界の底まで転がり落ちていってしまうのです。
そのため、シーシュポスは永遠にこの苦役を続けなければなりません。
カミュは、「シーシュポスは、この永遠に終わることのない課題を、『無意味なもの』として受け入れるべきだった」と述べています。
そうすれば、自由を見いだすことができたかもしれないと言うのです。
■人生には開き直りが大事?
カミュの主張は、つまりこういうことです。
「人生は無意味だし、不条理なものであるが、それを受け入れることでわれわれは自由に生きることができる」
確かに、開き直りが人生に活力をもたらすことは、多々あります。
現代でも自分の存在意義に悩み、転職などを考えている人は、もう少し今の職場で頑張ってみませんか?
今の世界(職場)の無意味さや不条理さが嫌で、別の世界(職場)へ踏み出しても、また似たような無意味で不条理な世界が待っているだけかもしれません。
一見、後ろ向きとも取れるカミュの主張ですが、カミュは「よく生きる」ためにはどうしたら良いかを考えて、このような主張にたどり着きました。
彼の著作を読むと、「自由に生きる」ということが、彼のキーワードになっているように感じます。
『ペスト』は、不条理な世界を描いた小説です。われわれがふと感じる「人生の無意味さ」や「世の中の不条理さ」とうまく付き合っていくためのバイブルとして、一度読んでみてはいかがでしょうか。
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