一緒に暮らしている両親の関係が冷えきっている場合、子どもの立場としては何をするのがいいでしょうか? コラムニスト・ひかりさんが親の不仲に悩む女性にアドバイスをします。
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■両親に幸せに暮らしてもらいたい(Yさん・26歳)
私はいま、父と母と実家暮らしをしています。結婚の予定は当面なくて、お付き合いしている人も片思いの人もいません。正直、私にとって実家は、どこよりも居心地の悪い場所です。
父は昨年定年を迎え、いまは再就職をしています。無趣味で友だちもほとんどいなくて、休みの日は朝から晩までずっと「テレビの番」をしています。母は専業主婦で、働きに出ることは嫌がっています。
両親は不仲で、もう何年も前から家庭内別居状態です。
ご飯もバラバラに食べ、母は父にメモ書きをして要件を伝えています。正直なところを言えば、離婚してお互いのびのび暮らすほうが幸せなんじゃないかと思っています。
ただ、それを母に言うと、「離婚して働くよりも、我慢して父と同じ屋根の下で暮らすほうがいい」と答えます。離婚もしない、話し合いもしない不仲で険悪な両親に、少しでも幸せに暮らしてもらうために、私にできることは何かあるのでしょうか?
■Yさんへの回答
誰の人生も自分のものです。それは親であっても、です。別に家庭内暴力で一緒にいると傷つけ合うわけでもなく、お互いに必要な部分を相手で補っていて、その生活に納得しているのであれば、放っておいてあげた方がいいでしょう。
別にYさんもご両親から「別れたいけど、どうしよう」と相談を受けているわけではないんですよね?
自分のモノサシで測ると、ご両親の関係は不幸かもしれませんが、ご両親にとっては「そんなに悪くはない」環境なのでは? もし一緒にいられなくらい、辛く、苦しんでいるのであれば、やはり人は行動に移すものだからです。
家でのルールは、家族次第です。
よその家庭と比べる必要はありません。ご飯を家族そろって食べることは、必ずしもしなければならないことではないし、自分のお腹の具合に合わせて食べたいときに食べるのであれば、それはそれでいいのでは?
また、メモでコミュニケーションをとるのがちょうどいい関係であれば、そういう夫婦がいてもいいとも思うんです。双方が許容さえしていれば。
誰かと共に人生を歩むというのは、とても忍耐のいることです。価値観がすべて合う人なんて存在しないし、自分が嫌なことを相手がすることだってあるでしょう。
だから、ご両親の関係は、長い共同生活の中でお互いが一番ストレスなく過ごせる方法を見つけ出した、ということなんだと思います。